木材：トチノキ、栃（トチノキ科　Aesculus turbinata）

■分布
北海道南部、本州、四国、中国、九州などに広く分布しており、特に東北地方や北海道南部に多く見られます。とくに面積としては多いとは言えませんが、大木のため、山地のハイキングコースなどでよく目にする木のひとつです。また、街路樹や庭園樹としてもよく用いられています。

■ 木材
木材の色はやや赤みを帯びた黄白色～淡黄褐色で、心材と辺材の色の違いはほぼありません。年輪の境目もあまりはっきりしていません。肌目は精で、仕上げた材面には絹のような光沢があります。大木になるとその幹にはコブがあったり凹凸があるため、木材になったときにその木目が乱れることがあります。この結果、様々な個性を持った木目のものが仕上がります。気乾比重は0.40−0.52（平均値）−0.63で、軽軟な木材といえます。木材の保存性は非常に低いです。切削などの加工も容易で、よい仕上がり面になりやすいです。ただし、乾燥した際、狂いが出やすいといわれています。

■ 用途
硬さは軽軟で、加工がしやすいことから、器具、玩具、など、さらに最近では民俗家具に使われています。美しい木目の出るものは高く評価されています。観光地などで売っている土産物の茶道具、日用品などにかなり多く使われています。

参考（引用）：一般財団法人 日本木材総合情報センター