木材:オウシュウアカマツ、ソ連アカマツ、サスナ、スコッチパイン (マツ科 Pinus sylvestris)
■ 分布
ヨーロッパからシベリア地方にまで広く分布しており、ヨーロッパ各国での代表的なマツ類の一つです。ロシアのシベリアから輸出される木材の中に、ヨーロッパ産を彷彿させる“オウシュウ(欧州)”という名前がついたものがどうして入っているのか不思議に思われるでしょうが、世界的にはヨーロッパ産のものの方が広く知られているからです。ロシア語で、サスナというのが、英語のパイン(マツ)に相当しています。ヨーロッパでは、オウシュウアカマツのことを心材が赤色を帯びることからレッドウッド、スプルースのような淡色の木材をホワイトウッドと呼んで取扱うことが多いので、取引上で、この名を見聞きすることがあるかも知れません。ロシアから輸入される木材の中では、ロシアカラマツやエゾマツ・トドマツ類より、ずっと少量なので、一般にはあまり知られていないかもしれません。
■ 木材
心材は赤褐色、辺材は淡黄白色で、一般に日本のアカマツより濃色のようです。材質は、ほとんどアカアマツと同じです。輸入されている丸太をみると、日本でもかつては見ることが出来たようなまっすぐで、直径の太いものが多数あります。気乾比重は0.37~0.45(平均値)~0.63です。年輪がはっきりとし、肌目の粗い木材です。軸方向細胞間道(樹脂道)があり、材面に“やに”が滲み出てきます。このため、表面に出るような用途には用いられないでしょう。耐久性は中庸です。加工のしやすさは中庸ですが、仕上がりはよい方ではありません。
■ 用途
建築、建具、坑木、電柱など、アカマツと同様な用途がありますが、大径で形質がよいので、より高く評価されるでしょう。
参考(引用):一般財団法人 日本木材総合情報センター