木材:アガチス(ナンヨウスギ科 Agathis albaを含むAgathis spp)
■ 分布
20種あり、マライ、フィリピンを含む東南アジアをはじめ、ニュージーランド、さらにフィージー、ニューカレドニアなどにも分布しています。国によっては造林されています。分布範囲が広く、国によってこの類の木材に対する名称が異なります。東南アジアの国々の例を主として表に示しました。フィージーでは、まだ直径が大きく2メートルをこえるようなものが出材されています。この類の木材は、年輪があまりはっきりしていないのと名前が日本の針葉樹のそれとかなり違っているため、広葉樹ではないかと思う人が多いようです。日本の市場では、ナンヨウヒノキと呼んだり、ナンヨウカツラ、シンカツラなどと商品名をつけていることが多いので、馴れないと混乱することでしょう。
■ 木材
心材の色は桃色を帯びた淡灰褐色ないし淡黄褐色などで、均一ではなく、辺材は淡灰褐色で、両者の差はあまりはっきりとはしていません。しばしば、アテ材がみられ、乾燥した際、その部分が割れたり、大きく収縮したりします。また、大きな節が出ます。耐久性は低いので、水湿のあるような処での用途には向きません。 年輪がはっきりしていませんので、肌目は精です。加工はしやすいです。気乾比重は0.52です。
■ 用途
建築、建具、家具など。建具としてはドアによく用いられています。家具では、机などの引出しの側板に用いられます。(カツラが、かつてはよく用いられ、その代用ということでナンヨウカツラというのでしょう)。
参考(引用):一般財団法人 日本木材総合情報センター