木材:クリンキーパイン(ナンヨウスギ科 Araucaria hunsteinii)
■分布
パインという名前が付いているのでパイナップルの仲間か?と思ってしまいそうですが、科名からもわかるように、まったく違った樹種です。針葉樹というようなつもりで、パインと付けたのでしょう。パプアニューギニアの少し高い地域に分布しており、山の尾根に立っているこの木をみると、パインと呼びたくなるような姿をしています。熱帯の広葉樹と比べて、肌目が精で加工しやすいので、この木材の存在に気付いた人達が、これを使おうと考えたのも無理からぬことでしょう。たちまち、地域でメジャーな木材となり、同国の外貨獲得のために輸出用木材の花形となったため、現在では広い範囲で造林されています。
■木材
心材は灰褐色ですが、薄く桃色や紫色を帯びており、部分的に色が不均一なことが多いです。辺材は淡褐色または淡黄褐色を帯びており、心材と辺材の色の違いはあまりはっきりしていません。同じ科のアガチスの木材とよく似ていますが、板目面をみると、この木材には小さい節がでてくることが多いので、そこで見分けることができます。年輪はほとんど見受けられません。肌目は精で、木理は一般に通直です。軽軟で、気乾比重は0.39~0.45です。
■用途
産地のパプアニューギニアでは重要な合板用材として用いられ、クリンキーパインで作られた製品はよく輸出されています。丸太の状態で日本に輸入されることはまず無く、かつて、ベニアを剥いて残った材から作った割り箸はよく輸入されていました。
参考(引用):一般財団法人 日本木材総合情報センター