木材:ローズウッド、シタン(マメ科 Dalbergia cochinchinensis , D.latifolia , D.nigra)
■分布
ローズウッド類は、世界的にもよく知られている銘木の一つです。色が少し似ている他の樹種に「○○ローズウッド」といった名前をつけていることがありますが、本物のローズウッドはこの属の木材だけです。
唐木(とうぼく)と呼ばれる木材の一つで、もっとも珍重されてきているのは、D.cochinchinensis です。
D.cochinchinensis は、東南アジアに、D. latifolia (イーストインディアンローズウッド)は、東南アジアとインドネシアに、D. nigra (ブラジリアンローズウッド)は南米(主にブラジル)に産します。この他に古くから楽器のマリンバに使われているのはこの属のD. stevesonii(ホンジュラスローズウッド)で、また、同じく楽器のクラリネット用材として知られているのがD. melanoxylon (アフリカンブラックウッド)です。
■木材
心材の色は、赤色、赤紫色、紫色などで、これらが縞になって美しい模様を作っています。時折、心材が真黒なもの(D.melanoxylon)もあります。木材の硬さはほとんどが重硬で、気乾比重は1.09(D.co-chinchinensis)、0.75~0.90(D.nigra)、0.84(D. latifolia)などです。
■ 用途
材面の見た目が美しく、高価なことから、高級家具、キャビネット、内装用、器具の柄などに使われます。一般に多く見られるのは、スライスしたベニヤとして使われたものではないでしょうか。
参考(引用):一般財団法人 日本木材総合情報センター