木材:カリビアマツ(マツ科 Pinus caribaea)
■ 分布
カリビアマツは、カリビア海に面する地域に天然のものが分布していますが、一般的には天然のカリビアマツよりも、造林されているものの方が馴染みが深いようです。というのも、このカリビアマツは、熱帯地域での針葉樹造林樹種としては、もっとも代表的なもので、熱帯アジア、太平洋地域、その他に広く植えられています。とくに、フィジー国にある造林地は広く、3万ha(1980年当時)に及び、その後も増加しています。成長が良い場合、15〜16年生で、直径は30cmになります。大部分のカリビアマツは、パルプ原料を目標として植えられているため、用材として利用しようとすると、成長が早過ぎて、材質的には劣るとされています。
■ 木材
辺材には、やにが吹き出ているものが多く、その色はほとんど白色または黄白色です。造林地からのカリビアマツは成長が良いため、20年生位になっても心材が出来てきません。気乾比重は15年生の造林地からのものでは0.41~0.67、25年生のそれでは平均0.65とされています。針葉樹の木材としては重硬な部類に入るでしょう。熱帯地域では、針葉樹材が少ないため、色々な用途に使われます。しかし、製材してものには、狂いやねじれが多く出ることと、やにが出るので、日本のようなところでは、今のところ用材としてはあまり好まれないようです。日本のマツ類などと同様に、青変菌の害を受け易いので、伐採後それを防ぐ工夫が必要です。
■ 用途
日本のマツ類が使われるような用途に用いられますが、むしろ、薬剤処理をして丸太のまま使うことの方が今のところ適しているようです。パルプ、箱、建築、杭などに用いられます。
参考(引用):一般財団法人 日本木材総合情報センター