木材:ラジアータパイン(マツ科 Pinus radiata)
■分布
ニュージーランドやチリから大量に日本に輸入されており、ニュージーランドマツあるいはチリマツなどとも呼ばれていますが、これらは、全て造林木です。最近では、チリから輸出されるラジアータマツの量が多くなり、ニュージーランド産の輸入量を越えるようになっています。しかし、実はこの樹種の原産地は、米国のカリフォルニア州のモントレー郡なのです。このラジアータマツは、故郷のアメリカにおいては、用材になることはほとんどないようです。故郷で育たず外国へ植えられ、美しい林をつくり、大量の木材を生産をするというちょっと珍しい例かもしれません。さらに現在では、オーストラリア、アフリカ諸国などでも造林されています。ただし、ニュージーランドから輸入されているものは、生長がよすぎて、年輪幅が広く、大きい節が多数出るため、木材としては低い評価を受けています。ですので、ニュージーランドでは、入念に林の手入れをして、ゆくゆくは良質材を得ようと励んでいます。
■木材
心材の色は、淡褐色または褐色で辺材の色は黄白色なので、あまりはっきりとした境界線はありません。気乾比重の平均値は0.49です。しかし、髄に近い処はもっと低い値を示すのでしょう。成長の早い樹の幹の髄に近い部分では、年輪があまりはっきりしないことが多いのですが、外側へゆくと、マツ類らしい年輪を形づくるようになります。心材の保存性は、接地しする用途を除いては高いです。大きな節が出てくると加工しにくくなりますが、節のない部分は加工しやすく、仕上がり面は良好です。
■ 用途
建築、家具、建具、梱包材、杭などがありますが、日本ではあまり高く評価されていません。ニュージーランドにおいては、良材は合板用にも用いられています。
参考(引用):一般財団法人 日本木材総合情報センター