木材:マホガニー(センダン科 Swietenia macrophylla)
■分布
マホガニーは、世界でも古くから知られている銘木の一つです。ヨーロッパ諸国が中・南米諸国を植民地にしていた頃には、大量の天然マホガニーがヨーロッパやアメリカへ輸出されていました。そのため、古い文学作品を読むと、マホガニーの椅子やテーブルなどがよく登場します。マホガニーには、Swietenia macrophyllaの他に、S.mahagonii Jacq.が知られています。こちらは、西インド諸島に産し、かつてはこちらの方が良質とされ、多く使われていました。しかし、現在ではほとんど市場に出てこなくなってしまいました。今日、木材として入手出来るものは、S.macrophylla のみとされています。分布地帯は、中米および南米のコロンビア、ベネズエラ、ペルー、ボリビア、ブラジルなど。また、世界の熱帯各地に造林地があります。
■ 木材
心材と辺材の色の差はハッキリしており、心材は桃色または赤褐色で光沢があります。いわゆる“マホガニー色”と言われるものは、かっての西インド産のものにつけられた名前です。肌目はやや粗で、木目はまっすぐなことが多いようです。加工しやすく、仕上りも良く、寸度安定性が良い木材として定評があります。
■ 用途
高級家具、キャビネット、楽器、彫刻、スライスドベニヤ、高級器具、理化学器械の箱(古いカールツァイスの顕微鏡の箱などはよい例です)。
参考(引用):一般財団法人 日本木材総合情報センター