木材:ホワイトオーク(ブナ科 Quercus alba)
■分布
面白いことに、木材は昔から「お酒」と縁があるんです。昔は、プラスチックはもちろん、金属やガラスなどが無いわけですから、お酒などの液体を入れるものは木に頼るしかなかったためです。日本ではスギが酒樽になっていたように、欧米では、このホワイトオーク類がウィスキーなどの樽になりました。したがって、スギの木の香が酒の香りとなり、ウィスキーの香りにはこのホワイトオーク類の木材の香りとなっているわけです。
かつて、テレビのコマーシャルに「当社のウィスキーを入れて熟成するためにホワイトオークの樹を伐採…」というナレーションとともに大きな樹が倒れていくシーンを写しているものがありました。記憶にある方もいらっしゃるのではないでしょうか。「オーク」はカシ類とナラ類を意味していますが、ホワイトオークはナラ類のことで、日本の「ミズナラ」によく似ています。
ホワイトオークと呼ばれるものは、1種類だけでなく、その数なんと10種類を越えます。その上、米国大陸の東部を中心として広く分布しています。また、同じ類の木材は、ヨーロッパにもみられます。
■ 木材
心材は灰褐色、褐色などです。大きな放射組織があるため、柾目面に美しいシルバーグレイン(柾目を横切るような帯状の木目)がみられます。硬さは重硬で、気乾比重は0.75程度です。一般に収縮率が高いので、乾燥の際には狂いや割れが出ることが多いようです。
■ 用途
欧米の家具用材としては、ホワイトオーク類の木材がよく使われており、高級材として知られています。その他、床板、一般製材品、船舶、箱、建築、桶などに用いられ、また先述の通り、酒樽とくにウィスキーの樽にも欠くことの出来ないものです。
参考(引用):一般財団法人 日本木材総合情報センター