木材:カキ(カキ科 Diospyros kaki)
■分布
カキの類は果実でよく知られていますが、木材に出会うのは機会が少ないでしょう。よく似ているものにヤマガキ(var.sylvestris)があります。この他、この属にはマメガキ、シナノガキ、トキワガキなどがあります。分布は本州中部、南部、四国、九州、伊豆七島などで、朝鮮、中国などに分布しています。マメガキは中国から渡来したものとされ、シナノガキは関東地方南部以西の、本州、四国、九州、沖縄、台湾、朝鮮南部、中国、トキワガキは本州の東海から山陽地方、四国、九州、沖縄、台湾、中国に分布しています。
■ 木材
辺材と心材の色の差はあまりはっきりとはしていません。淡色で橙色を帯びていますが、時々黒い条が不規則に出てくることがあります。その黒い条が著しいときには、木材の色が黒に近くなります。黒い心材の出ることはあまり多くありませんが、それを持ったものを黒柿と呼んで、装飾目的の用途に使いますので、その価格も高くなります。リップルマークがあり、それに気付くと、容易に他から区別できます。気乾比重は0.60~0.85で、やや重硬です。
■ 用途
床柱、内部装飾などの建築材として、また、寄木、象眼、家具、彫刻などに珍重されます。アメリカ産のパーシモンは同属の樹種で、ゴルフのクラブに使われていることで、よく知られていますが、日本でもカキがクラブのヘッドとして使われています。柿渋はカキの類の未熟な果実をつき砕き、その搾った液を半年放置しておいたものを塗布用にしたものです。
参考(引用):一般財団法人 日本木材総合情報センター