木材:イタヤカエデ、イタヤ(カエデ科 Acer mono)
■分布
北海道、本州、四国、九州に分布しており、サハリン、千島、朝鮮、中国東北部と北部にも知られています。日本には20数種あります。さらに、公園や庭園で鑑賞用として植えられることが多いため、園芸品種も数多くあります。また、同じ目的で、外国産のカエデ類が導入されています。木材として考えると、このイタヤカエデが代表的なもので、その他はあまり知られていません。
■ 木材
カエデの木材は大きく、軽軟な木材と重硬な木材の二つのグループに分けることが出来ますが、イタヤカエデは重硬な方に含まれています。辺材と心材の色の差はほとんどありません。木材の色はやや紅色を帯びた白色~淡紅褐色です。年輪はどちらかというとあまりはっきりしていないと言えます。肌目は精ですが、木目は不規則なことが多く、そのために、美しい杢(縮れ杢、波杢、鳥眼杢などがあります)がある事が多いと言えます。また、そのことが切削などの加工を難しくしています。気乾比重は0.58−0.65(平均値)−0.77でやや重硬な木材です。曲木のできる樹種です。加工の仕上がりの良い木材です。
■ 用途
家具、器具、運動用具、建築、楽器などに用いられます。また、コケシの材料としてもよく知られています。
参考(引用):一般財団法人 日本木材総合情報センター