木材：アカガシ（ブナ科　Quercus acuta ）

■分布
本州の福島県および新潟県の海岸に近いところから、南へむかって分布し、さらに、四国、九州さらに斎州島、朝鮮半島南部にかけての温暖帯に広く生育しています。日本産のカシ類の中で、最も高いところまで分布している種です。常緑で、樹高20ｍ、直径１ｍに達し、カシ類の中では大きくなるほうです。日本では一般的に、重硬な木材の代表的なものの一つとして、カシの類の名が挙げられることが多いです。

■ 木材
心材と辺材は、心材が淡紅褐色から赤褐色で、辺材は淡黄褐色ですが、両者の境はあまりはっきりとはしていません。最も重硬な木材の一つで、その気乾比重は0.80～0.87（平均値）～1.05です。保存性は日本産のものの中では中庸で、切削などの加工は困難なものの一つといえます。乾燥は容易ではなく、表面の仕上がりは特に良いとは言えません。

■ 用途
かつては、器具材、車両材、機械材、建築材、枕木、薪炭材、器具柄材、足駄歯、櫓材など重硬な材料の必要な用途に、広い範囲に渡って使われていました。しかし、需要の変化、他材料の進出、資源の減少などにより、我々の目に触れる機会が減ってきました。それでも、比較的身近なものとして、木刀、長刀、ゲートボールあるいは屋内の遊具にも使われています。

参考（引用）：一般財団法人 日本木材総合情報センター