木材:キハダ、ヒロハノキハダ、シコロ 黄蘖(ミカン科 Phellodendron amurensis)
■分布
北海道、本州、四国、九州に分布しています。さらに、中国、朝鮮、サハリンにもみられます。一般にキハダとして市場に出ているものは、北海道産のキハダです。それほど蓄積の多い樹種ではありません。
■ 木材
心材と辺材の色の差ははっきりとしています。心材はやや緑色をおびた黄褐色ですが、長い時間空気にさらされていると褐色になっていきます。辺材は淡黄白色です。環孔材ですので、年輪ははっきりと見えます。道管が大きいので、肌目は粗くなっています。気乾比重は0.38−0.49(平均値)−0.57でやや軽軟な木材と言えるでしょう。木材の保存は低く、切削などの加工は容易ですが、仕上がり面は特に良いとは言えません。
■ 用途
家具、指物、器具、単板、天然木化粧合板などがあります。キハダには木材以外の用途として、樹皮が薬によく利用されるのですが、もしかしたらこちらの方がまだ知っている人が多いのではないでしょうか。内樹皮は鮮やかな黄色で、胃腸薬とされ、ダラニスケあるいは百草などという名で家庭薬の成分とされてきています。その他、様々な漢方薬の成分とされ、使われています。
また、黄色の染料としても使われていました。
参考(引用):一般財団法人 日本木材総合情報センター