木材:ホワイトアッシュ(モクセイ科 Fraxinus Americana)
■分布
実は、野球愛好家の方は誰でも一度は触ったことがあるであろう木材がこのホワイトアッシュ。現在では、学生野球の場合には金属バットになっていますが、かつては、硬式野球の場合、バットは全て木製でした。そして、ほとんどのバットはこの属の樹種からの木材製なんです。
日本においては、昔から米国よりアッシュのバットが輸入されていたのですが、そのうちに国産の同じ属のアオダモ(木材の場合にはF. lanuginosaおよび近縁の種類が含まれる)が使われるようになってきて、現在でもプロ用などの高級品にはアオダモが使われています。
市場で取扱われているホワイトアッシュの類の木材には上述の種以外にもグリーンアッシュ(F.pennsylvanica)が存在し、両者ともカナダと米国の北部および東部地方に分布しています。
■ 木材
辺材はやや淡色あるいはほぼ白色で、心材の色は褐色。このホワイトアッシュが、運動用具によく用いられるのは重硬で、強く、とくに衝撃につよいからとされているためです。気乾比重は0.67~0.69程度。
※気乾比重とは、乾燥させた時の重さと同じ体積の水の重さを比べた値です。木材の硬さや強度を表す基準の一つで、数値が大きいほど重く、小さいほど軽い。
■用途
強さや衝撃への耐性が必要となるものによく使われ、特に多いのは運動具用材です。使われている比率が低いものは、運動具には用いられず、よく家具などに使われています。単板に剥がれ、合板にもされます。
参考(引用):一般財団法人 日本木材総合情報センター